恐怖体験談

マネキンの声[後編]

……前回の続きです。(マネキンの声[前編]より)

寝室で黒いマネキンに出会ったことを身内や友人に話しても、誰にも信じてもらえず、僕自身も「見まちがえかな……?」と思い始めていたその矢先、またしても金縛りが僕の身に襲いかかりました。

しかも、今度の金縛りはちょっと異常でした。前回までのは、目が覚めたらすでに身動きができない状態だったのですが、今回は目が覚めてしばらくすると、体が徐々にまるでロープか何かに締め付けられるような感じがしました。呼吸ができなくなることもしばしば。

それでも目も開けずにおとなしくしていると、大概は何も起こらないままで、次第に体も動くようになってきます。もちろん、あのマネキンにも会いません。だって、目ぇ閉じてますもん。

そんな事が何日か続いたある日の夜。その日もまた、いつものように金縛りにあい、動けるようになるまで何も考えずにじっとしていました。しかし、その日は違ってました。耳元で何か音がします。正確に言うと、耳元ではなく大脳に直接響いている感じ。

その音が徐々に大きくなっていきました。音?ただの音じゃない!声だ、低い男の声!なんて言ってるんだ?

「ありがとう」 そう何度も何度もつぶやいていました。そのうち声も遠ざかり、体も動くようになったので、部屋の明かりをつけてあたりを見まわしました。やっぱり、誰もいない。なぜ?なんで「ありがとう」?一体誰が……?しばらくすると恐怖感もだいぶ薄らいできたので、明かりを消して床に入りました。

その直後、再び金縛りが僕を襲いました。目を閉じて2・3分も経ってなかったと思います。今度もまた男の声がします。今度は何!?「なんで俺の存在を無視すんだよ」 確かにこう言ってました。何度も、繰り返し繰り返し……。

この時、私は目を閉じていましたが、やっぱりこの声はあのマネキンのものなんでしょうか?むしろ、そうじゃなかった場合のほうが私は怖いです。だって、わけの分からない物に少なくても2体も出会ってしまったってことになりますから……。

投稿者:メタル君 様(2000年 5月20日掲載)