恐怖体験談

土地に残る思い

去年の4月後半か5月のことでした。実家の真裏の土地に家を新築するという話が出て、私はその地主さんと共に下見に行きました。条件はとてもいいのに、なぜか私には理屈ではない嫌な感情が湧きあがりました。一度は手付を払ったんですが、結局キャンセルしたのです。なぜなら……

その土地はうちの実家の2階からは良く見えるんですが、念のため見ておこうと2階の窓からその土地を見たんです。でも、なんだか先日見た土地と何かが違うんです。

良く見ると……整地されてるはずが以前の畑の状態だったんです。そしてそこには私も存じていた地主さんのおばあさんが頬被りをして畑を見ているんです。

……そんな馬鹿な、です。だってそのおばあちゃんのお葬式に私は参列したんだから。

その時おばあちゃんは私のいる実家の2階を見上げました。そして、悲しそうに頭を振ってそして消えました。それは真昼のことでしたから、余計に私はその土地にはかかわってはいかんと感じてのキャンセルでした。

それから数日後、とんでもない事件が起こりました。そこを委託管理していた不動産屋の社長が殺されたんです。その社長は地主さんの親戚筋の人で、結構強引にその土地を売るつもりでいたそうです。それが、社員になんの恨みかで殺された。まさに、契約していたら、まともに事件と関わってしまうところでした。

おばあちゃんは、そこにいろんな野菜を作って楽しんでました。おばあちゃんは、その家では結局、正式な戸籍上の家族になれないままで、いつも寂しそうでした。そして、唯一の楽しみが畑作りだった……。でも、そんな土地もやくざさんには敵わない。もう分割の限りにしての売り出しです。

先日、地主のおじさんが入院されました。心労もあったとはいえ、おばあさんの思いを知りながらも税金対策の為、土地を手放した。今でもおばあちゃんは怒っているんでしょうか?

投稿者:匿名希望 様(2001年 3月26日掲載)