恐怖体験談

刑場の怪[後編]

(刑場の怪[前編]より)

いつのまにかその出来事は僕の周りで語り草になっており、「例のネガまだあるの?」と聞かれることも珍しくありませんでした。ネガ?捨てましたよ、もちろん。

ある日、ぜひその場所に連れてってくれと別の友人に懇願されました。1度は断ったものの、結局同行することに……。

再び僕がその刑場に行くことにしたのは、例の出来事からすでに数カ月が経過しているので僕自身の恐怖心もだいぶ和らいでおり、またその場所に対する好奇心が大きくなっていたからでした。いくつかの心霊スポットをめぐり、例の刑場に到着したのが午前4時。供養地蔵は、あいも変わらずそこにありました。

前回は重苦しい空気に、そして今回は寒気に体を支配されました。気分的なものもあるんでしょうが、強烈でした。耐えられなくなった僕は、「これだ、この地蔵だ」と大騒ぎする友人達に「早く帰ろう……」としきりに頼みました。友人達も話に聞いていたほどのインパクトを得られなかったためか、早々に切り上げました。

非常に驚いたことは、前回と同様に軽いノリだったのにもかかわらず「地蔵の写真をとろう」と言い出す人間がいなかったことです。僕はそれ止めるつもりで気合を入れてきたので、なんとなく拍子抜けしました。

帰りの車中。時間を見ようと僕は携帯電話の電源を入れました。心霊スポットの探索中に着信音なんか鳴らしたら、みんなをびっくりさせちゃうでしょう? ですから僕はいつも電源を切っているんです。

電源をつけると留守電が入っていることに気がつきました。だれだろう? と思い留守電を聞きました。無言でした。時間は……午前4時。だれだ?こんな時間に。

そのとき僕の横で友人が「おーい、時計壊れてるよ−!」と大声で叫びました。友人の懐中時計がとまっていたそうです。どうやってもなおらない。時間は……午前4時。4時?

「……ねぇ、それってあの刑場にいた時間じゃない……」

偶然? にしてもなあ…………。

投稿者:メタル君 様(2001年 5月11日掲載)