その小学校には七不思議がありました。といっても全国に広く知られているモノと、さほど違いはありませんでしたが。「誰も居ない音楽室から夜中にピアノの音が聞こえる」、「トイレに花子が出る」、「昔、学校があった土地は墓地だった」とかデス。
その中で「夜中に、誰も居ないハズの保健室の一番奥のベットから声が聞こえる」とゆーモノがありました。ある日、好奇心の強いその小学校のOB・OG(と言っても中学生)とその小学校の生徒数名がこの噂を確かめる為に夜中、学校に侵入を試みました。
侵入ルートは宿直室隣のドアです。宿直室といっても実際に教師が泊まるコトはほとんど無く、よっぽどの残業とかでない限り使われることは無かったのです。校舎の外れにあった為、侵入がバレづらく鍵自体も古く細工しやすいという理由からでした。施錠の管理は保健医がしていました。
彼らは無事に侵入に成功し、問題の保健室に着きました。恐る恐るドアを開け中に入ったところ……声が確かに聞こえるのです!最初は微かだったのですが慣れてくるとハッキリと男の声だという事がわかりました。彼らがスグに逃げ出したのは言うまでもありません。
翌日その声の正体があっさりと判明しました。ソレは新任教師の寝言でした。彼は一度帰宅し、書類を持って再び学校に戻ってから誰も居なくなった職員室で仕事をし、時間がもったいないので保健室で夜を明かしたとのことでした。
しかし、話はコレで終わりませんでした。彼らが侵入した当日、鍵の管理をしていたハズの保健医はその日に限って休んでいたのです。そう、宿直室隣の鍵は開くハズがないのです。何故なら、そこの鍵はその保健医しか持っていなかったのだから…。新任教師と彼らは何故入れたのか?新たな不思議として七不思議に加わりました。
この事情を知る者は少なく、この教師は「七不思議を壊した男」として今でも語り継がれています。