少し前の話になります。18になって友達が車の免許を取り、毎日のようにドライブをしてました。みんな高校を卒業してヒマだったので、ドライブは自然と深夜の心霊スポット巡りになっていきました。今思えば、好奇心の塊みたいな人間が3人も4人も集まれば、そうなっちゃうのは仕方がないです。
その日は仲間内で結構有名な、おばけ病院にいってみとようと言う事になり、いつものよう深夜に4人が集合して出発しました。その病院はボウリング場と病院が一緒の4階建てビルになってるという信じられないような作りで、もうだいぶ前から廃墟と化していました。窓はほとんど全て割られ、正面玄関にはこれ以上の侵入を阻止するようにベニヤ板が打ち付けられていました。
しかし、ここまで来て諦めるようなおとなしい人間ではありません。バール、バットを駆使してのベニヤはがしが始まりました。思ったほど頑丈な作りではなく、すぐにガラスのない扉が顔を出しました。あまりに不気味で、俺は「中には入らない!」と言ったんですが後の3人はやたらとノリ気で「じゃあライター貸して、行ってくるから」と言い、暗闇の建物の中へ消えて行きました。
確か深夜の2時くらいで、周りの建物の電気も消えていたため、小さなライターの光でも、今何階に居るかは分かります。1階…2階…3階…4階…「よく行けるな」と思いながらそのひかりを目で追っていました。4階の窓には焼けたような跡があり、不気味さを増していました。
しばらくして友達が戻って来て、「思った程怖くない」と言っていたので、俺が「よく4階まで登れたなぁ」と言うと、不思議そうな顔をして「4階までは行ってないぞ」とか「おどかすなよ、マジで」とか口々に言い出します。「じゃぁ何階まで上った?」と聞くと、「3階。だって4階ホームレス住んでるっぽいから…」「電気通ってるし、足音とか声とか聞こえたもんなぁ」などと言います。
これ以上脅かすつもりはなかったんですが、「じゃあお前、上見てみろよ… 電気ついてるなら絶対明かり見えるぞ!」と言うと、とたんに顔色が変わり、でも必死に「でも、居たよなぁ」などと言っています。「まあいいや、不気味だからもう帰ろう」と言ってみんな車に乗ったとき、友達の一人がぽつんと言いました。「でも… 玄関ベニヤ打ってあったよなぁ…」と。
逃げるように帰ったのは言うまでもありません。今でもその病院はそこに建っていますし、「幽霊を見た」と言う噂が耐えません。でも、もう二度と行きたくはないです。