恐怖体験談

H君の見たモノ

今から15年前、私が新社会人だった頃の話です。入社してわずか3ヶ月で念願の車を手に入れた私は、同期の友人達とよく深夜のドライブに出かけておりました。その時は同期のH君とTさんが一緒で、霊感体質のH君がいた事から、その日の行く先は軽いノリで某霊園と決まりました。(H君は本気で嫌がっておりましたが。)私は学生時代から周りに霊感体質の友人や知人が多かったのですが、私自身には霊感が無いらしく、馬鹿げた話ですが当時は恐怖体験に憧れている所もあったのです。

その霊園は隣接する東京都営の霊園で、内部が非常に広い為に車で入ることが出来ます。後部座席に二人を乗せ、窓を開けて肘を窓枠にのせてゆっくりと霊園内を周ります。H君が後ろで時々「うわぁ…」とか言ってましたが、私自身は何も感じなかったし、何よりも真新しい車の運転が楽しかったですから、不謹慎ながらもH君のリアクションを楽しんでいました。

しかし、ある場所で突然私の右半身にだけ鳥肌が。同時にH君、

「やべぇ!F(私の名前)、急いでここから離れろ!」

相変わらず何かが視えるわけではありませんでしたが、右半身だけ鳥肌が立つ、その何ともいえない感覚に不気味さを感じた私は、素直にその場を離れました。

霊園を出た後、H君に何が視えたのかを尋ねましたが、はっきり答えません。ただ一言「カラーで視えたんだわ…。」と。H君いわく、普通の霊体はモノクロに視えるんだそうです。しかし、想念が強い霊体は必ずカラーで視えるんだとか。とにかくその日は切り上げて帰る事となりました。

後年、何かの拍子でその時の話題になり、改めて「その時」に何が視えたのかをH君に教えてもらう事が出来ました。

H君「地上から2m位の高さ、デカい木があったトコ…。」
私 「男?女?大きさは人間くらい?」
H君「女で1m50くらいのデカいの。」
私 「???1m50って普通じゃん。」
H君「顔だけのやつだぞ…どんぐれー怖かったと思うよ?」
私 「……。」
H君「目が合わなかったから良かったんだけどな…。」

視えなくて本当に良かったと思う体験でした。

投稿者:たけぞう 様(2005年 9月 8日掲載)