恐怖体験談

H君の轢いたモノ

やはり15年前の話です。

入社する直前の話なんですが、H君は入社予定先の会社でアルバイトをしておりました。新人研修の際に研修部から募集があったのです。H君は学生時代から一人暮らしをしており、勉強にもなるからと応募したというワケです。

当時の会社はC県の海浜地区にあり、都心と結ばれるJRの新線も開通したばかりの頃でした。H君は車好きで、当時は学生時代の友人と休み前の深夜などはよく走りに出ていました。

その日も走り終えてC県に戻ったのは2時過ぎだったそうです。海浜地区は新しくて広い道路が通っており、街燈も明るく、深夜とはいえ見通しは良好です。

手入れも行き届いた中央の植え込みを挟んだ広い4車線道路。新線の駅付近の高架をくぐろうとした時の事。いきなり植え込みから人影が飛び出してきたんだそうです。買い物カゴを下げたおばちゃんが見えた時には絶対にブレーキングが間に合わない距離。もちろんフルブレーキですが、車が止まったのは100m近く先。H君は『轢いてしまった』と思いましたが、それにしては何の感触も無い。とにかく車を降りて後ろを見たそうです。

そこにはフード付のボロマントのような服を着た人が立っているのが見えました。H君いわく『風の谷ryの大ばば様風』w フードで顔は見えなかったそうですが、闇に赤く光る目が一つ、彼を睨み付けているのがはっきりと感じられた。本当に恐ろしかったそうです。H君は後ろも振り返らずに家に逃げ帰りました。家に帰っても何かがいる感じで、結局一睡も出来なかったそうです。

次のアルバイトの日、事務の女性達の会話からH君はその場所で轢き逃げ事件があった事を知りました。買い物帰りの主婦の方。即死だったそうです。

彼が視たのはその主婦の霊だったのでしょうか…。

投稿者:たけぞう 様(2005年 9月 8日掲載)